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もうこの船には居られない。
このままでは死んでしまう。
そうだ、逃げよう。
けど、ここは海のど真ん中。
仮にこの広大な客船内を走破しても、逃げられる場所なんてない。
次々と襲い掛かってくる謎の生き物たち。
彼らも、昔はあたしと同じ人間だったのだろうか。
この大海を延々と泳いでいられるような体になることさえできれば、
ここまでの絶望を味わうこともなかったのに……。
なんて、弱気になってはいけない。
あたしは必ず生き残ってみせる!
そう思っていたのに、自らを神と名乗る謎の存在が立ちふさがる。
もうだめだぁ……。